小学校のプログラミング教育に向けた3つのアイディア

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こんにちは。代表の小林です。

総合教育技術という教員向けの雑誌の2016年10月号に、「なぜ小学校から必要なのか?プログラミング教育が目指すもの」という記事が掲載されています。この記事は、東北大学の堀田龍也先生の記事(リンクは雑誌記事を掲載したもの)ですが、なぜ小学校にプログラミング教育が導入されることになったか、ということに関して書かれています。大変興味深い記事でした。

なぜプログラミング教育が必修になるのか?

 実際の内容は記事を読んでいただくとして、ここでは概要だけを簡単に述べます。人工知能などの技術の進歩がめざましく、数十年後には人工知能の能力が人間の能力を超える「シンギュラリティ」が迫っています。このような背景の中で、これから未来を作っていく子供たちが、コンピュータの仕組みを知ることは今後必須になるということから、プログラミング教育を導入することになったということが書かれています。

プログラミング教育で目指すもの

 目指す内容は、プログラマを育成するということではなく、コンピュータやプログラムがどのようにして動くのかを体験を持って知るということです。プログラムがどのように動くのかを理解することによって、「プログラミング的思考」を身につけることが、ゴールと位置づけています。どのようにして命令を組み合わせると、自分のしたいことが実現できるかというのを考える思考方法のことを、「プログラミング的思考」と呼んでいるとのことです。具体的な方法はこれから検討されるようですが、プログラミング的思考をいろいろな科目を通じて学ぶということを小学校でやることになるそうです。

3つのアイディア

 今までは記事の概要なのですが、ここからが本題です。では、どのようなことをしていくと良いのか?ということです。ここからは個人的な意見を書きますので、これをたたき台として、ぜひご意見賜れば幸いです。

1. コンピュータを通常の授業で使う

 正直、小学校の義務教育じゃ無理、というご意見いただきそうなのですが、あえて書くとすれば、「プログラミングという以前に、道具としてコンピュータを使いましょう」、ということを提案したいです。以前書いた記事にPISA(OECDの学習到達度調査)の記事がありますが、そこでも述べられているように、国語の授業でコンピュータを使用しているのは、日本はほぼ0時間です。諸外国と比べても圧倒的に時間が短い。道具は使わなければ使えるようになりません。宿題で日記を日記帳に書くのは、それはそれで必要だと思いますが、コンピュータで日記を書くというのをしても良いのではないでしょうか。ワープロソフトを使うことで随分楽に文章を書くことができるにも関わらず、原稿用紙に悪戦苦闘して夏休みの読書感想文を書き上げるというのは少々違うのではないかと思っています。文章を書くのに必要な推敲をする行為が大変コストが高く、殆どの生徒は一発勝負で書いておしまいなのではないでしょうか。また、理科の実験でレポートをまとめるとか、社会の学習で新聞を作るとかそういう活動の中でもコンピュータを使って書くということを日常的にすることで、道具として使えるようになると思います。

2. コンピュータを使わずにプログラミング的思考を学ぶ

 1でコンピュータを使えと言いつつ、逆のことを書くのですが、文科省の言っているプログラミング的思考を身につけるという意味だけで言えば、コンピュータはなくてもできるとも言えます。例えば、次のような問題です。

(問題)
8つの見た目は全く同じだが重さが違うものを用意します。アナタが使用できるのはどちらが重いかを知ることができる、天秤だけです。重いものから順に軽いものまで並べるにはどうしたらよいでしょうか?

これはいわゆるソーティングアルゴリズム(sorting algorithm:並び替えの方法)の問題なのですが、これをやるにあたりコンピュータは必要でしょうか?8つのものと天秤を用意すればできます。今の小学校にも普通に使えるものです。考え方をしるということであれば、こういうお道具立てをしてあげるだけでも十分に学ぶことができるかと思います。中途半端にコンピュータをいれて、ビジュアルプログラミングを少し触っておしまい、というぐらいであれば、思い切ってガチンコでソーティングアルゴリズムを考えたほうがよほど「らしい」授業が作れるような気もします。

3. ある種の問題解決に取り組む

 これは、プログラミング教育というよりは、いわゆるSTEM教育の目指す方向性ということにもなりますが、ある種の問題をどうやって解決するかと言うのを考える過程でコンピュータを使うということをしてはどうかと思います。例えば、次のような課題です。

(課題)
教室の図書に関して、本の貸出をする際に、貸出ノートに名前を記入して期日が来たら返却するシステムとしていました。しかし残念なことに借りた本を返さない人が増えて困っています。どのようにして解決したらよいでしょうか?

課題自体は、学級でいろいろ異なってくるはずですので、課題自体をまずは全体で議論する。その後、グループに分かれてその課題を解決するアイディアを競う。という流れがよいかと思います。いわゆるコンピュータの分野で注目を浴びている、アイディアソン(アイディアを短期間で考えて競う)、ハッカソン(短期間である目的のプログラムを作り競う)の考え方です。この中で例えば、図書貸出をノートではなく、コンピュータで管理し、返却日が近くなったら「◯◯ちゃん、明日が返却日ですよ」としゃべってくれるシステムなども考えられるかもしれません。自分たちでできそうな範囲での解決策を考えて、ビジュアルプログラミングで作る、といったことを通じてより深い理解を得るというのはよいかと思います。

まとめ

 今回は、3つの提言ということで書いてみました。どちらかというとこういうのをたたき台になにか面白い意見が出てくるといいな、と思いつつ書いてみました。ご意見いただければ幸いです。

 最後に「私の運営している教室ではどうしているか」ですが、教室で提供しているのは、プログラミング的思考を身につけるというだけを主眼にはしてなく、創造性を鍛えるというところを目指しています。創造力を養うために、色々なアイディアを形にして動かすということを繰り返し実施しています。ただ、最初の段階では、どうしても面倒を細かく見ないとうまくできません。学校の一斉授業では難しいことをこの教室では実施していると考えてください。最終的には提言の3つ目に書いているような、問題を解決するのに力を発揮できる人材を育てていきたいと思っています。

 


東京都文京区小石川で小学生、中学生、高校生を対象としたプログラミング&ロボット教室を開校しています。コース概要のページで説明しております。創造性や協調性などこれからの時代に必要となる素養を育てるコースです。ご興味ありましたらぜひお問い合わせください。また、ワークショップも定期的に開催しています。こちらのワークショップのページにて内容をご確認ください。

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