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2016.05.18タイムレスな子供の教育

子どもたちにプログラミング教育をすることでもたらされる7つのこと

教育ITソリューションEXPO

教育ITソリューションEXPO
こんにちは。代表の小林です。
本日から3日間の予定で教育ITソリューションEXPOという展示会が東京ビッグサイトで開催されました。プログラミング教育に注目が集まっていることもあり、学びNEXTと題して、プログラミング教育やSTEM (Science, Technology, Engineering, Math) 教育を扱ったブースを集めて特設展示を行っていました。
その展示会の特別講演の中で、「「間違えない達人」から「うねりをつくる人材へ」〜子どもたちにプログラミング教育を〜」と題して、(株)ディー・エヌ・エー 取締役会長 南場智子氏の講演がありました。タイトルに示されるように、次世代の人材教育においてプログラミング教育が重要であることを訴えたもので、私の目指す方向性と合致するところが多いので紹介させていただこうと思います。私なりのまとめを書きます。

日本は起業家が育たない


Global Entrepreneurship Monitor とよばれる、世界中で起業という概念についてどう思っているかを調査したレポートを用いて、日本人の考え方について述べるところから始まった。2014年のレポートの中からの抜粋とのことだが、次のようなデータが並べられていた。
Entrepreneurial intentions, (起業への意識)
日本 2.5%(70カ国中70位)
中国 19.3%
US 12.1%
Entrepreneurship as a good career choice(起業が良い選択だと思うか)
日本 31.0% (63カ国中62位)
中国 65.7%
US  64.7%
Fear of Failure (失敗への恐れ)
日本 54.5%(70カ国中2位)
China 39.5%
US  29.7%
見ていただくと、日本は中国やUSと比較して、起業というものへの意識が低く、失敗することを恐れているということがわかる。氏は全員が起業家になる必要はないとしながらも、世界有数の企業が日本から現れないのはこういうことが背景にあると指摘していた。

新しいうねりを作り出せるリーダー


次に日本人には「何が足りないのか」という話に移り、次の3点をあげていた。

  • 一つの正解を言い当てるのではなく、今までにないアイディア・付加価値を創造する力

  • 感動や情熱(パッション:passion)を伝える力

  • 文化的な背景の異なる人達と協業する力(コラボレーション)


これらについて、次のような話を交えて説明をしていた。

一つの正解を言い当てるのではなく、今までにないアイディア・付加価値を創造する力


日本はどちらかと言うと「間違えない達人を量産する仕組み」に優れており、このため、戦後の高度成長期には高い経済成長をなしえてきた。しかし、今から求められるのは、今までにないアイディア・付加価値を想像する力である。例であげていたのが、DeNAの新卒採用に関しての話。東京に拠点があるため、応募者は東大、慶応、早稲田といった大学の学生の割合が高いとのことだが、面接の際に面接で「受けの良い回答は何かを探してしまう。」点を問題視していた。この手の人材は、「会社に入ってもろくな活躍はできない。」とバッサリ。例えば、南場氏とスタッフと打ち合わせた際に、一番上の人間である南場氏の発言に引っ張られてしまうといった傾向が出てしまい、議論にならないとのこと。これでは新しいことを創造するような事はできないということで、活躍ができないということのようだ。また、中途採用で入った人ははそういう癖を持った人がほとんどらしい。
今日の日本が直面している課題には、少子高齢化に代表される人口構成や、環境、エネルギーといった前例のない課題が多く、答えが見えないものばかり。新しい価値を見出して成功させたいと考えているところでは、前例主義は、ほぼ無価値になってしまうとも述べていた。

感動や情熱(パッション:passion)を伝える力


ここでは、前米国大使のルース大使の奥様との会話を引き合いに出して説明をしていた。ルース大使の奥様との情報交換で、今月のびっくりな出来事ということで話していたのが、とある小学生の子どもに関して。その子どもがミニチュアの立派なコレクションを持っていたのをみて、小学校でこのことを話したことはあるかと尋ねたところ、その子どもは一切このミニチュアの話をしていないと答えた。この点に関して、なぜ立派なコレクションを持っているのに一切話しをしないのかが理解できず驚いた、というエピソードであった。それと合わせて紹介されたのが、DeNAの駐在員によるシリコンバレーの(ランクの高い)小学校の話。Show and Tellとよばれるもので、週に1度、各人が自分の行っていることに対してどんなに素晴らしいかを発表する。自分にとって重要なものをどんどん発信することで、小学校1年から情熱を伝える力を素養を育んでいる。この例で挙げられているように、いかに感動や熱意を伝えられるか、ということを小さい時から訓練していくことで、リーダーとして重要な熱意を持って人に話ができる力が身についていくということだ。

文化的な背景の異なる人達と協業する力(コラボレーション)


ハーバードなどのアメリカの大学では、あえてアメリカ人の比率を下げて、多様な背景の人を入学させて、多様な人達とコラボレーションができるようにしている。日本の大学だと多くは日本人で、外国人がいたとしても、外国人同士で固まっていて交流が少ない点を指摘していた。国境を超えない問題はすでになく、世界の英知をいれて課題解決をしていく必要があることからも、コラボレーションの能力は重要と話していた。

リーダーでなくても食べていければいい?


リーダーになるために必要な3つの力の話をした後に、リーダーにならなくても食べていければいいといった考え方についても述べていた。この話題では、今ある仕事の47%が機械に取って代わられるといったレポートも引き合いに出しつつ、想定される人材のタイプが次の3タイプになっていくとしていた。

  • Type 1  コンピュータに使われる人材

  • Type 2 コンピュータと競争する人材

  • Type 3 コンピュータにコマンドを出す人材


Type 3の人材をどれだけ排出できるかが、国の競争力に直結する。どのタイプに属するかで「その人のできることの範囲が決まってくる」とのことで、いかにType 3 の人材が排出できるかがこの国の課題、としていた。

プログラミング教育の実証実験


プログラミング教育に関して「全員に学んで欲しい」と述べつつ、事業者としてDeNAが社会貢献活動の一環として、公立小学校3校で実施(佐賀県武雄市(2校) 横浜市(1校))した際の事例紹介をしていた。DeNAで開発したオリジナルのプログラミング用のアプリを用いて授業を行っている。ビジュアルプログラミングによるもので、自分が書いたイラストをカメラで取り込む機能を搭載しているとのことだ。授業では、タブレットの使い方から始まり、アプリの使い方、プログラミングの概念と学習を進め、実際に制作に使った時間は4コマ程度の時間だったとのこと。最後にプレゼンテーションまでを行った。
ここで子どもたちにみにつけてほしいこととしてつぎの点をあげていた。

  • アプリやゲームは自分で作れるものだと自然に考えられるようになること

  • プログラミングを知ることで、より豊かな想像力を働かせることができるようになること

  • それを楽しいと感じて、もっと学びたいと思ってもらうこと(一番重要)


そして、子どもたちの作品が紹介されていた。氏が強調していたのは、この授業をもっと続けたいと思った子どもは100%であり、何が良かったかという中で、プレゼンテーションをあげていた子どもが多かった点。先に述べていた、パッションを伝えるという練習にこのような取り組みは効果があるとのことだ。

プログラミング教育がもたらすもの


プログラミング教育というのは、次のようなことをもたらしてくれるとして締めくくっていた。

  • 「一握りのマーク・ザッカーバーグ」
    世界的な企業を作り上げる起業家たちの排出

  • 「ITで何ができるのかという発想ができる」
    言い換えると、ITでどういうことが解決できるのかを理解して使うことができる

  • 「ITを使うだけではなく作れる人に」

  • 「コンピュータと競争するのではなく、コマンドを与えるような人材に」


そして、重要としていた3つの能力を身につけられることである。

  • 「想像する力」

  • 「コラボレーションする力」

  • 「パッションを伝える力」


最後に


南場氏の講演を私なりにまとめてみました。氏が述べているように、プログラミング教育は、未来のリーダーを育てていくための教育であり、子どもの可能性を広げるための教育であると考えています。
私としても、自分のポジションを再認識した良い機会でした。
子どもたちが楽しみつつ、
「想像する力」
「コラボレーション」
「パッションを伝える力」
といった力を身につけられるようなサービスを熱いパッションをもって提供してまいります。ぜひとも応援よろしくお願いいたします。


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