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2022.08.22タイムレスな子供の教育

大学入試共通テストの情報I「サンプル問題」(1)

みなさま、こんにちは。代表の小林です。


前回、大学入試に情報Iが採用され、主要な国立大学は試験科目として導入するという話を書きました。(前回記事はこちら)情報Iのサンプル問題が大学入試センターから出されていまして、下記のページに実際の問題があります。


https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou.html


すこしこの中について見ていきたいと思います。今回の記事では、第1問の問1です。第1問の問1では、大規模災害などの緊急事態における通信確保のあり方についての文章を参照しつつ、会話文の穴埋めをしていく内容でした。固定電話が使えないときでもSNSが使えた理由や、震災後にクラウドサービスが自治体で使われるようになった理由などを問う問題でした。


ア、イの部分では、大規模災害時に固定電話の通信障害がでていたときでもSNSが使えた理由として、インターネット回線はどのような方式が採用されているからか、という内容を選択する内容でした。選択肢としてでているのは、次の5つでした。



  • 0. 通信経路上の機器を通信に必要な分だけ使えるように予約してパケットを送出

  • 1. 大量の回線を用意して大きなデータを一つにまとめたパケットを一度に送出

  • 2. データを送るためのパケットが途中で欠落しても再送

  • 3. 回線を専有しないで送信元や宛先の異なるパケットを混在させて送出

  • 4. 一つの回線を専有して安定して相手との通信を確立


みなさま、どれが正解かわかりますでしょうか?


正直言うとあまり予備知識がなくてもよく考えれば選択肢がいくつかに絞られるのですが、まず0は通信経路上の機器の予約をして送信すると、当然大量に予約が入ると予約で一杯になるのでNGですね。1は、大量の回線を用意するという内容がその想定を超えた時点で破綻すると考えるとNGですね。2は、パケットを再送する仕組みで障害が起きても再度送り直して通信を確立するという意味で正解かな。3は、回線を専有しないで宛先の異なるパケットを混在させるということで、多くの通信を一度に扱えることができる性質なので正解ですね。4は、一つの回線を専有して相手との通信を確立するのは、固定電話ですよね。ということでNGですね。


ただ、インターネットがどのようにデータを送信しているかということを知っていればあまり悩まず選ぶことができるかと思います。この手の話は、私は大学で専門課程で勉強して初めて知ったことですが、これを高校生の必須科目で常識として扱うということを意味していると考えると、大きな変化だなあと改めて思うわけです。


また、クラウドサービスに関してこのあとのエの選択肢で書かせていました。クラウドサービスが東日本大震災以降、自治体で利用されるようになっていた理由を選ばせる内容です。選択肢は次の内容でした。



  • 0. 手元にデータを置いて置けるため高い安心感を得られる

  • 1. 手元にある機材を追加して自由に拡張することができる

  • 2. サーバを接続するプロバイダを自由に選ぶことができる

  • 3. サーバなどの機器を自ら設置する必要がない


みなさま、どれが正解だと思いますでしょうか?


クラウドサービスは、自前でサーバを持たずデータセンターなどのサーバ機器を利用したサービスを意味しています。0.の手元にデータを置くという記述はクラウドサービスの定義からずれるのでNGですね。同じく1.も手元のサーバーなのでNGです。2.はサーバを接続するプロバイダの話なので、クラウドサービスとは関係がないのでNG。ということで消去していくと3が残ります。ただ、このサーバなどの機器を自ら設置する必要がないというのは直接的な理由なのかな?とちょっと疑問は残りますが。。。災害が起こった場所と異なる場所で運用できるということを言いたいのだと思うのですが。。。いずれにしてもコンピュータの用語としてのクラウドサービスを知っていないとあまりピンとこないかもしれず、知識を問う問題としてはうまくできているかなとは思いました。


次回も他の問題について書いてみます。


 


 

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