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2022.10.31タイムレスな子供の教育

画像のデジタル化について

こんにちは!タイムレスエデュケーションの日高です。突然ですが、今年度から、高校で共通必履修科目として「情報Ⅰ」が新設されている事をご存知でしょうか。この科目の中で扱われている内容の1つに、「画像のデジタル化」があります。デジタル化とは、情報をコンピュータで扱えるようにするために数字で表現する事を言いますが、最近では画像や文字、音などあらゆる情報がデジタル化されています。このような背景があるため、情報の教科書の中でも「画像のデジタル化」がトピックの1つとして取り上げられています。


今回の記事では、画像がデジタルデータとして記録される時、何が行われているのかについてお話したいと思います。画像がデジタル化される際は、「標本化」、「量子化」、「符号化」という3つのプロセスを経ています。各プロセスにおいて、具体的に何が行われるのかを見ていきましょう。


【標本化】


最初に、標本化のプロセスについてお話します。このプロセスについて理解するには、「画素」に関して知る必要があります。画素については聞いたことがある方が多いと思いますが、画像を構成している小さい四角形を意味します。この四角形の集合体が画像となっているのですが、解像度が高い画像には、より多くの画素が存在します。これは、解像度が高いほど、1つ1つの画素のサイズが小さいためです。


以上の話を踏まえて、標本化のプロセスについて説明します。このプロセスでは、最初に画像のデータを画素に分割します。例えば、円の画像は、下記の図に記載されているように画素に分割することができます。このように画像を画素に分割した後は、次の「量子化」というプロセスに入ります。



 


【量子化】


量子化のプロセスに関して理解するためには、まず色の表現方法について知らないといけないので、これについての話を最初にさせて下さい。色を表現する方法には様々な種類があるのですが、色の情報を扱うための代表的な方式として、「RGB」という方式があります。これらは「Red」、「Green」、「Blue」の頭文字を取ったものです。それぞれの単語は、日本語で「赤」、「緑」、「青」を意味しますが、これらは光の3原色とも呼ばれます。そして、コンピュータ上では、これら3つの色の比率を少しずつ変化させることで、様々な色を表現することができます。


RGBの方式を用いて量子化する場合、それぞれの画素において、事前に決めた1点から赤色、緑色、青色それぞれの濃淡を読み取ります。濃淡を何段階で表すかを決める際には、「階調」と呼ばれる値が使われますが、この値が大きいほど表現できる色の幅は増えます。一般的には、RGBをそれぞれ256(2の8乗)階調で表現すると、フルカラーで画像を表現することができます。


ここでは、256階調で画像をデジタル化する前提で話を進めます。この場合、RGBの値はそれぞれ0〜255の内いずれかで表現されます。先ほど例に挙げた円のイラストが写った画像の場合だと、一番右下にある画素は中身が全て白色となっています。そして、R,G,Bの値が全て255だと白色と決まっているため、一番右下にある画素は下記のように量子化されます。また、この画素の左斜め上にある画素を見ると、画素の中身のほとんどが濃いオレンジ色となっています。そのため、量子化するとR,G,Bそれぞれの値は以下の通りになります。



このようにして、1つ1つの画素の色に関する情報は、量子化することができます。そして、この量子化されたデータを用いて、最後のプロセスである「符号化」が行われます。


【符号化】


符号化のプロセスでは、量子化されたR,G,Bそれぞれの値を2進法で変換します。これは、コンピュータの中では、データを全て0もしくは1に変換しないと扱えないからです。このような理由があり、赤色、緑色、青色の濃淡を0と1だけで表すために、符号化が行われるのです。


先ほど例に挙げた画像の場合、白い部分のRの値「255」は、2進法で変換すると「11111111」と表されます(今回の例では256階調を使っているため、8桁の数字となります)。また、濃いオレンジ色の部分のRの値「237」は、2進数で「11101101」と表すことができます。このように、量子化されたR,G,Bそれぞれの値を2進法で変換することで、画像をデジタル化することができます。そして、コンピュータが画像のデータを扱えるようになります。


【まとめ】


今回の記事では、画像がデジタルデータとして記録される際に、「標本化」、「量子化」、「符号化」という3つのプロセスを経ている事を説明しました。それぞれのプロセスを正しく理解するのは難しいかもしれませんが、各プロセスの中で何が行われているのかについて、読者の方々が理解を深めるのに少しでも役立つことができればと思い、「画像のデジタル化」に関する記事を書かせて頂きました。次回もまた、情報Ⅰの教科書の中で扱われているトピックについて書かせて頂くつもりですので、記事の更新を楽しみにお待ち頂ければと思います。最後までお読み頂き、ありがとうございました!


参考文献:


黒上晴夫、堀田龍也、村井純、「情報Ⅰ」、日本文教出版株式会社、2022年1月

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